滋賀県長浜市 面積約70㎡ 間取り:LDK+オフィス+トイレ                                                                                  2018年に独立すると同時にMOKKi事務所の工事も始まりました。お客様の仕事をこなす合間に少しずつ、ゆっくりとMOKKiの事務所の 工事を進めていきました。 忙しい日々がつづいて気がつけば棟上げから2年の月日が経っていました。
幹線道路を曲がって直ぐ道の南側に見えてくる、ひときわ多くの緑の雑木の中にたたずむ、三角屋根の小さな建物。
設計から大工工事、外壁工事・屋根、そして内装や庭や植樹すべてを、自分の想いでゆっくりと時間をかけて自分一人で進めていきました。

薪ストーブ、無垢の床板、珪藻土の壁と天井、作家さんが作った、たくさんの素敵な照明、…。                   好きなものばかりを詰め込んだおとぎ話に出てくるような木々に囲まれた小屋「mokki」。

 事務所の仕切りのドアは、東京の廃業される小さなカフェで使われていた枯れた鉄の引き戸。秘密小屋のような屋根裏のお部屋、外にはお気に入りの雑木を沢山植えてウッドデッキも。挙げだしたらキリがないくらいの好きを詰め込めました。薪ストーブは、長野に住むチェコ出身のイエルカさんが造っておられる少し無骨で鉄の塊のような印象 で、ジブリの映画の中に出てくるような素敵なお顔のストーブです。この薪ストーブだけで事務所とショールームの中は、真冬の中でも室内はポカポカと身体の芯から温まります。
道路側の角には、外に植えた雑木の緑が望めるように、大きなL字の鉄の窓を取付けました。

 一見無駄のように思える事務室の横にあるこの小さなこのスペースも、朝にソファに座ってコーヒーを飲んでいると、沢山の陽の光がやわらかく差しこんで、何とも居心地の良いそんな空間になりました。
ショールームの窓には、レッドシダーのブラインドで光の調整をしています。無垢のブラインドからこぼれる明かりは木の優しい色を透過してお部屋のなかを優しく照らしてくれます。
室内にある家具は、MOKKi が完成する前からこつこつと集めた北欧のビンテージ家具たち。ドイツから何カ月もかけて船に乗ってきた子や、デンマークからやってきた子など。1930~50 年代に作られて年 月を掛けて何とも言えない深く味わいのある家具たち。
それからキッチンはコンクリート風ではなく実際に型枠から鉄筋を補強して本当のコンクリートで造っています。表面にできた細かな穴ぼこは、このキッチンの表情をより味わいのある雰囲気に。

小さな頃から何か買いたいものがあっても、お店にきれいに並んだ商品よりも、端っこに置いてある少し形がいびつであったり、色が滲んであるものを選んでしまう。人とは少し好みや感じ方が違う、ちょっ と変わった感性を持って育ってきました。

そういった意味で私が設計するお家も機能性や利便性はもちろん重要ですが、そこにほんの少し遊びを加えたり、完成品の商品を設置するだけではなく素材から造り上げていく事などを大切に設計と施工 をしています。
本当にまだまだたくさんお伝えしたいことがありすぎて、ぜひ興味のある方は事務所にお越しください。